D.A-Booster発売から10周年になりました!
2024/03/07
おかげさまでD.A-Boosterを発売してから10周年となりました。
発売から10年もご注文をいただけていることが奇跡のように思え、購入いただき感想を書いていただいたり、口コミでおすすめしていただいたりと、ユーザーの方々のおかげだと思っております。
本当にありがとうございます。
D.A-Boosterを作った経緯などについてこれまでも書いてきましたが、改めてD.A-Boosterが販売開始に至るまでと、それからどういった事があったかを振り返ってみたいと思います。
目次
ギタリストとしての道からエフェクター作りの道へ
2010年までは無名ながらも、ギタリストとしてバンド活動をしておりました。
そんな中で、常に自分の音に不満があり、ギターの練習よりも機材選びや、機材制作に時間を割くことが多くなっていきました。
もともと上手いギタリストでは無かったので、徐々にギタリストとしての自分に限界を感じ、そのレベルがまったくプロとしては届かないことを認め、バンドを抜けて、ギタリストとしての道を諦める事になりました。
その後は、音楽に変わる自分が誰かのために出来ることはないかを模索していたのですが、自分ではわからずに悶々としていました。そんなあるときに、先輩ギタリストから「オリジナルエフェクター作ってみたら?」と言われ、再び動き始めました。
いいバッファーを作ろう!からD.A-Boosterは産まれた!
オリジナルエフェクターを作る上で、ほとんどのエフェクターで必要となるバッファーの開発から始まりました。
バッファーについては過去の記事で書いていますので、読んでいない方はこちらも参考にしてください。
https://daprojecteffector.com/?p=4529
それまでに、様々なメーカーのバッファーを試していましたが、どうしてもサウンドが大きく変化していて、その変化が自分好みではありませんでした。
そこで、自分が求める100点のバッファーの定義を決めて回路作成や部品選びをしていきました。
そのバッファーの定義というのは、
・原音に忠実である(そう感じる)
・ピッキングに対するレスポンスの良さ
・アンサンブルの中でギターのサウンドがしっかり引き立つ
以上の事を絶対条件にしてバッファーの開発をしていました。
作っていく中で、90点台の良さそうと言えるバッファーは早い段階で出来ましたが、今のD.A-projectの元となるバッファーにたどり着くまでにかなり時間がかかったと感じています。
そうしていろんなパーツの組み合わせを試していて出来たときは一人でガッツポーズしていたくらいに嬉しかったし、大変でした。
(普段リアクションがうすい、のんびりしたタイプなので自分でもその瞬間の喜びは今でも覚えています。)
そうして出来上がったバッファーですが、当時はこのバッファーを通していろんなエフェクターに繋げば自分にとって理想的な音になるから、バッファーとして売ろうと思ったのですが、一般的にバッファーというエフェクターは知られていないだろうし、求められていないだろうと思い、ブースターという形でD.A-Boosterを制作することにしました。
D.A-project製品販売店MusicLifeさんとの出会い
このD.A-Boosterが出来たときに、もともと仲が良かったギタリストの何人かに試してもらって好評をもらっていました。
でも、自分としてはとても不安でした、「友達が作ったものだから」というバイアスが掛かった上の感想なんじゃないかと思っていたので、そういった関係でない人に試してもらおうと考えました。
また、もともと個人のブログでちょっとしたギターの機材制作の注文受付をしていたのですが、商品として売るならネットでのマーケティングが出来る人にお願いするべきだと思いそういった人を探していました。
そんな中でFacebook上ではつながっていたMusicLifeさんとやり取りがあり、インターネットショップをされている事に気づき、お声がけをしました。
そして実際にお会いして、D.A-Boosterの試作機をお渡しして感想を待つことになります。
その時のMusicLifeさんの記事がこちら
https://ameblo.jp/norinorinonori/entry-11030857453.html
そして、しばらくして連絡が来てMusicLifeで売ってもらうことになりました。
その時のMusicLifeさんの感想についてはこちらに書いてあります。
https://musiclife.cart.fc2.com/ca0/350/p-r-s/
2011年11月4日D.A-Booster発売!
とうとうD.A-Boosterが今の形で販売開始しました。
実はその前にベータ版のデザインで自分のブログでいくつか限定販売していました。
その時のデザインがD.A-BoosterのデモとしてMusicLifeののりくんが動画にしてくれていたものです。
この動画のデザインは、細い穴を開けてそこに光ファイバーを刺して、裏からLEDで光らせるというものだったのですが、加工精度が求められるので、数を作るのは大変だろうと感じ、当時はエフェクターの製品として販売されているのをみたことがなかったアクリルを使った装飾をして今のデザインになりました。
発売開始当初は当然のことながら無名なので注文はありませんでした。
しかし、当時はTwitterが一番盛り上がっていた頃でした。
MusicLifeさんの方でD.A-Boosterの写真を使ってTwitterでマーケティングしてくれた結果、少しずつ知られていってじわじわと注文が増えていきました。
キリが良い販売台数になったらまたTwitterを使ってキャンペーンをしたりというのも当時はかなり効果があったと思います。
東京ギターショー2013に出店
ある程度安定して注文が来るようになった頃に、何かイベントがしたいと思っていたところにMusicLifeさんから「東京ギターショーに出店しよう」と言われ、即答し、出店する事になりました。
東京ギターショーは基本的にメーカーや代理店、販売店が出店しているので、個人での出店はこれまで無かったようで珍しがられました。
メーカーのようなかっこいいブースを作るような予算は無いので、ポスターを張り巡らせただけの文化祭のようなブースを作って、その場で販売するためにD.A-Boosterをいくつか作って持っていきました。
東京ギターショー2013ブースの写真
今日も東京ギターショー会場でお待ちしています(^^) pic.twitter.com/wQ55kGseJL
— D.A-projectの中の人 (@Da_project) June 30, 2013
Twitterで見てくれていたお客さんや、買ってくれた方が遊びに来てくれて楽しかったです。
持っていったD.A-Boosterの在庫も完売して、ネットからの注文も一気に増えてその後からの製作が大変だったのを覚えています。
一生残る素敵な思い出になりました。
D.A-Boosterはこれからも作り続けていきます。
以前に1900台突破キャンペーンをやって、次は2000台です。
これからも出来る限りこうやって作り続けていくつもりでいます。
バージョンアップも考えていますが、10年経った今、D.A-Boosterを使って演奏してみても、とても心地よくダメ出しが出てこないんですよね。
ギタリストとして評価されなかったけど、その経験をすべて注ぎ込んで作ったD.A-Boosterが自分にとってのギターの音の一つの結論になってしまっているのかもしれません。
今では作った僕自身よりD.A-Boosterの方が知られていて、なんだか嫉妬してしまうこともありますが、そうやって作ったD.A-Boosterがいろんなギタリストの手に渡って、僕が出来なかったギターの音でたくさんの人を感動させられる音楽のために役に立ってくれればと思って、作り続けていこうと思います。
10年間の間にD.A-Boosterを見つけていただき、応援いただき、感想やレビューなどを発信いただき、口コミで広めていただき、
本当にありがとうございました。
これからも続けていきますので、引き続きD.A-projectをよろしくお願いいたします。